January
14
2025
NEWS
Chage初のドキュメンタリー映画、いよいよ公開!先行試写レビューをお届け
2025年1月18日より、待望のChage初のドキュメンタリー映画『シネマティックコンサートツアー:Chageのずっと細道~東西南北~』がいよいよ公開されます。
大阪での上映を皮切りに、Chageの音楽とその素顔に迫る感動の2時間をお届けします。
長年のファンも初めてChageの世界に触れる方も、この特別な映画体験をお見逃しなく。
上映に先立ち、音楽ライター兼田達矢氏によるレビューをお届けします。
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「シネマティックコンサートツアー:Chageのずっと細道〜東西南北〜」
先行試写レビュー
Chage初のドキュメンタリー映画「シネマティックコンサートツアー:Chageのずっと細道〜東西南北〜」の公開が迫ってきました。
昨年、彼が行ったバンド・ツアーのタイトルは“ちゃげっていうひと”でしたが、この映画はアコースティック・ツアー“Chageのずっと細道”を通じて“Chageってどういう人?”と問い続けるChageの現在をリアルに伝える2時間です。
Chageの熱烈なファンであることを自認する坂本あゆみ監督は、あるインタビューに答えて、「自分が浴びているChageという光とその熱量をみんなにも感じ取ってもらいたい」と語っています。確かに彼女のカメラは、もしその場にファンが居合わせたら、絶対耳をそば立てて聴いてしまうだろうサポート・メンバーとの会話や、思わず手持ちの携帯で写真に収めたくなるような表情を丹念に追いかけ、文字通りChageの素顔に迫っていきます。結果、例えば彼女がカメラを向けていることを承知で本番前の発声練習を続けるChageのその声は“素の声”と言っていいでしょうし、ある場面でChageが20,000年を2,000年と間違えるのは“素のうっかり”でしょう。つまり、一人の熱烈なファンが感じた驚きやおかしみ、そしてもちろん大きな感動を追体験することになります。
その上で、この映画作品を見通した後に浮かび上がってくることの一つは、光を発する存在、いわば太陽のような存在であるChageが内包している、太陽の光を受けて優しく輝く月に対する愛着です。細道のステージはもちろん、年末年始に行われたビルボード・ライブのステージでもセット・リストの柱となった最新曲のタイトルは「横顔の月」であり、細道のステージで披露したカバー曲が、その名も「月のあかり」という、月にまつわる曲であることも決して偶然ではないような気がしてきます。その思いは、自分が発したものを受け取ってそれ以上の光を返してくれるファンへの感謝を暗示しているのかもしれないし、Chage自身はじつは自分のことをファンの光を受けて輝く月のような存在だと感じているのかもしれません。
45年間、シーンの最前線で歌い続けてきたことをChageは「夢のようなこと」と言うかもしれませんが、彼自身がこの映画の中で語っている通り、「いいことばかりじゃなかった」現実に向き合い、それを乗り越えてきた45年でもあったことは間違いありません。その一方で、ファンにしてみれば、彼のライブに出かけて夢の時間を体験し、そこでエネルギーをもらってそれぞれの現実にまた立ち返っていくことを繰り返してきた45年だったはずです。その夢と現実を行き来しながらChageとファンがともに積み重ねてきた時間は、おそらくはこれからもずっと続く「永いまどろみの時」であるように思います。だって、Chage自身が「ずっと」と言ってるのだから。
そして、ハイクオリティのサウンドと映画館ならではの濃密な暗闇の中でこの映画を体験することは、今Chageとともに「まどろみの時」を過ごすことの幸福を再確認する、ときめきの2時間となるでしょう。